●「小林よしのり」的なマンガ右翼の終焉をめぐって。

小林よしのり」というマンガ右翼をめぐる論壇の空気が怪しくなってきているようだ。要するに、マンガ右翼・小林よしのりへの批判と攻撃が、各方面から激しくってきたということだ。すくなくとも、言論思想界は、ここ10年ほど、「小林よしのり」というマンガ右翼を中心に展開してきたと言っていい。ということは、つまりここ10数年間、マスコミで大騒ぎしていた連中は、「小林よしのり」的マンガ右翼か、それに類するレベルの思想家かジャーナリストだったと言うことだが、そういうマンガ右翼的言論人たちが、つまり、これまで小林よしのりの「人気」と「売り上げ」を恐れて、ゴマスリに励んできたものたちまでもが、ここへきて、形勢不利と見たか、「小林よしのり批判」や「小林よしのりとの決別」……を宣言し始めたようだ。僕から見れば、歓迎すべき情勢の変化だが、しかし、そうとばかりは言えない。「小林よしのり」という漫画家を、一時的とは言え、「論壇のスター」に押し上げた言論人たちや読者たちには、「メディアの責任」「読者の責任」というものがあるはずで、それを容易に忘れるわけにはいかないのだ。今さら、小林よしのりとの決別を宣言しても、もう遅いと言うものだ。もちろん、未だに小林よしのりの同伴者という道化役を演じている八木秀次のような言論人もいるが……。

●コメント投稿者の皆様へ。
いつもハイ・レベルの熱心なコメント投稿、ありがとうございます。特に「沖縄集団自決裁判」をめぐるコメントは、裁判や論壇の言説の思想的レベルをはるかにこえているというか、はるかに先を進んでいます。一つ一つに、コメントしませんが、時間のあるかぎり目を通しています。そのうち、「沖縄集団自決裁判」問題を、多数の「コメント投稿」をも参考にした上で、集中的に取り上げようと思います。今後ともよろしくお願いします。


●講座「マンガは何を語ったか」(読売日本テレビ文化センター北千住)