田代政弘検事(45)の「不起訴」について

田代検事の「人事上処分」は、単に「懲戒処分」に変わっただけ。 << 作成日時 : 2012/05/21 22:37

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検察の御用垂れ流し機関である朝日新聞が、昨日の読売新聞に続いて、田代検事を不起訴ではなく懲戒処分とすることを公表すると報道した。今まで報道されていた人事上の処分とは、懲戒処分だと言うのだ。20数万人の有権者が選んだ総理大臣になるはずの政治家に対し、虚偽の報告書を上司の指示で作り裁判に縛り付けた刑事事件を、単なる懲戒処分で済ますと言う。何というご都合主義の極みであろうか。

石川議員の取り調べ「不適切」 担当検事、懲戒処分へ
http://www.asahi.com/national/update/0521/TKY201205200477.html

 東京地検特捜部の田代政弘検事(45)=現・法務総合研究所教官=による石川知裕衆院議員の取り調べについて、検察当局は20日までに「不適切な取り調べだった」と断定した。捜査報告書に事実と異なる記載をしたことと合わせて懲戒処分が相当と判断。近く法務省と協議した上、内部調査の結果を公表する方針だ。
 田代検事は2010年1〜2月、小沢一郎民主党元代表資金管理団体陸山会」による土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕された石川議員の取り調べを担当。同年5月には、検察審査会が小沢氏を「起訴相当」と議決したのを受けた再捜査でも、保釈中の石川議員を調べた。
 同年5月の調べでは石川議員が「隠し録音」したため、(1)虚偽記載とは別の容疑で特捜部が再逮捕できる(2)小沢氏の関与を否定すると、検察審査会の判断により小沢氏が強制起訴される――などと田代検事が取り調べの中でほのめかしていたことが発覚。小沢氏と元秘書の公判ではそれぞれ、東京地裁から「虚偽供述に導く危険性の高い取り調べ」「威迫とも言うべき心理的圧迫と利益誘導」などと批判を受けた。

この懲戒処分とは、Wikiで調べると以下の4種類がある。これらの懲戒処分のどれになるかで、法務省のいい加減さがわかる。精々、減給数ヶ月程度でお茶を濁すのではないかと思う。昨日も書いたが、不起訴が正式に発表されたら、手ぐすねを引いて「検察審査会」に告訴されるであろう。また、国会においては「検察官適格審査」に告訴された。

懲戒処分の種類
公務員における懲戒処分には、次のものがある。
•免職 - 職員の意に反してその職を失わせる処分をいう。
•停職 - 一定期間、職務に従事させない処分をいう。国家公務員の場合は1日以上1年以下となっている。
•減給 - 職員に対する制裁として一定期間、職員の給与の一定割合を減額して支給する処分をいう。国家公務員の場合は人事院規則で、1年以下の期間、俸給の5分の1以下を減額することになっている。
•戒告(譴責:けんせき) - 職員の非違行為の責任を確認し、その将来を戒める処分をいう。

この国家公務法における懲戒処分の対象事由は、以下の2つが挙げられる。今回の虚偽報告の作成は、以下の1,2のどれにも当たる。

国家公務員法若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令に違反した場合
   (国家公務員法第82条第1項)
1.職務上の義務に違反し、又は職務を怠たつた場合
2.国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合 

法の番人がこの事由を犯した場合は、当然単なる処分ではなく、あくまで刑事事件でなければならない。


2012/5/20 14:36
田代検事「不起訴」へ 検察審は「強制起訴」するのか 【政治・経済】ゲンダイネット Share 2012年5月17日 掲載
http://gendai.net/articles/view/syakai/136609

「これは組織ぐるみの「犯人隠避」ではないのか。「陸山会事件」で捜査報告書を“捏造”し、市民団体から「虚偽有印公文書作成・同行使容疑」で告発されていた田代政弘検事(45)について、検察が不起訴処分にする方針を固めた。「記憶が混同した」と繰り返す田代を「犯意ナシ」と判断したというが、茶番もいいところだ。

小沢裁判の1審判決で、東京地裁は、“捏造”捜査報告書が作成された検察の体質を批判し、作成経過や理由について検察に徹底調査を求めた。判決から1カ月も経っていないのに「お咎めナシ」の結論とは、裁判所をバカにしている。

田代検事は事情聴取に対して「上司に供述維持を指示された」と説明しているうえ、“捏造”捜査報告書というブツもある。故意は明らかなのに、なぜ、「犯意ナシ」になるのか理解不能だ。

「問題を解明するほど、自分たち(検察)が困るからです。適当なところで打ち切って田代検事を『不起訴処分』にする。そのうえで『戒告』などで済ませる。反省のポーズを取りつつ、玉虫色の決着を図る考えでしょう」

東京地検検事の落合洋司弁護士はこう言っていた。予想通りのデタラメな結論になったワケだ。

こういう時こそ「検察審査会(検察審)」の出番だろう。

検察審の本来の役割は、神戸・明石歩道橋事故のように、身内に甘い検察や警察の捜査を“監視”することです。田代検事のケースは、まさに絵に描いたような事件です。身内の検察が検事を不起訴にする。これを許したら、日本は法治国家じゃない。田代検事が不起訴になったら、検察審に持ち込まれるのは間違いない。検察審は絶対に『強制起訴』するべきです」(司法ジャーナリスト)

小沢一郎は収支報告書の「期ズレ」というちっぽけな罪で検察審に強制起訴された。一方、田代検事は“捏造”の実行犯で、それによってひとりの政治家が刑事被告人に仕立て上げられたのだ。この罪は相当大きい。もし、検察審が機能しなければ、改めて不要論が噴出するのは間違いない。

検察は今ごろ、検察審が「不起訴相当」と議決するようにインチキ捜査報告書作りに励んでいるのだろう。つくづくメチャクチャな組織である。